今年の
テーブルウェア・フェスティバルでの入手品をご紹介します。
まずはずっとまともなのが欲しいなーと思っていた和フォーク。
フルーツや和菓子だけでなくちょっとしたおつまみ、前菜にも使えそう。
器は相変わらず渋いのばかりですが。もう何度眺めてもうっとり、うふふふ。
まずは即買いの小ぶりで手ごろな器。somekanという白薩摩のモダンなもの。
「これください」と言った方が多分作家さんだったようです。
御茶碗屋つきの虫http://tukinomusi.jimdo.com/こちらは遠目に見た瞬間あっ(好み〜)と思い手に取ってその軽さと手触り
にあぁっ(危険!かなりいい)と思い、名刺を取り急ぎいただき最後に再訪
した福岡のうつわ工房さんの白い浅鉢。
http://utuwakobo.com/この白地、貫入…「濃いものは染みますよね?」と戻るなり聞けば、
「これがね不思議に染みないんですよ」と作家の熊谷さん。
目止めも必要ないとか!
聞けばなんとカオリン100%ですって!!そんなことできるんですね…いえ相当な
技術と難易度のようです。
まずカオリン(陶土・イメージは砂)を5年寝かさないと形が作れない。
その間にバクテリアの作用で少し粘性が出てくるんだそうです。
粘着剤のようなものは一切使用しません。
そうしてやっと形を作っても火入れで何度も全滅。1枚ずつ1000度で焼き
更に1ヶ月程度寝かさないと割れてしまうそうです。焼きあがりは20%も縮みます。
うっすらと青みがかった釉薬なのに、温かみのある白に仕上がっている不思議。
美しい貫入と透明感。
絶妙な薄さ、あぁ持っているともう手放したくない。
縁がカッティングされているのも良かったのですが、このシンプルな方はもう1枚
しかなくて、というか出来る量がわずかなので二日目だけど出ている数枚のみ。
メインは
このような粉引もの、ぽってりした感じも普段使いに良いのですが、やはり
こちらを見てしまうと…。
カオリン100%はほとんど趣味みたいなものだそうですが、すごい思い入れが伝わりました。
このお皿に出会えて良かった、大切にします。
こちらは家具を売っているブースの棚の上の方にぽつんとあって目を惹かれたもの。
遠目には洋物にも見えますが、堂々とした呉須の花唐草。
やちむん(沖縄の焼き物)です。
真喜屋修さん作。
http://qu-wan.com/?mode=f6手に取るとどっしりとした厚みの安心感、なんともちょうどよくありそうでない
深さとリム幅のバランス。
フレッシュトマトのシンプルなパスタや、卵の黄身を散らしたサラダなんか似合いそう!
これも…数が少ないようであと1枚しかありませんでした。
こちらは購入しませんでしたが、同棚の引き出しにひっそりあったガラスの器もすごく素敵でした。
さて、毎年漆器ブースも沢山出店しているのですが、いつもささーっと通り過ぎて
おりました。
というのは、塗りのいいお椀はもう何年も欲しいと思っているものの、なかなか出会えず、
勉強も含めていつか本腰を入れて探さねばと…。
お皿のついでには探せないと思っていたのでした。
古いものも好きですが現代の日常で使うお椀としては小さいものが多いので、
具沢山の汁物用にちょうどいいくらいのが欲しかったのです。
という訳で一応両側の漆器のお店をちらちら横目で流し見しながら歩いていると…。
ん?あらやだ素敵な形、そしてあの色は…。
大きさといい、質感といい、佇まいといい、どんぴしゃ好みかも。
見た瞬間に赤か黒か迷ってるし…(笑)。
うろうろしていると作家さんがいらっしゃいました。
塗師の
富樫孝男さん。
http://terradiart.com/hpgen/HPB/entries/5.htmlよく見る漆器は黒か朱ですが、こちらは美しい紅。
玉虫塗りという技法だそうで、この写真の下の方に写っているガラスのような
ワインレッドの香水瓶、これは下地の銀粉の煌きによるもの。
その玉虫漆を使ったお椀、本当にこちらも僅かしか作れないのでほとんど
作家さん自ら手売りだそうです。
やはり忘れられず最後の最後に再訪していただきました。
木は桜、この木目の美しさとそれを殺さない塗り。
均一に塗っても木の柔らかい部分には漆がより入るので濃い目の色に、
硬い部分は鮮やかな紅色に仕上がります。
せっかく自然の素材でもべったりとした仕上がりなのは、合成樹脂などを
木地に下塗りしてしまうから。
持ちやすさ、そして水垢がたまりにくい曲線仕上げの高台など素材への愛情
だけでなく日々使うことへの気遣いも感じられます。
何といってもこの手仕事の見事さ。
わー一生もののお椀と出会えて嬉しいです。
富樫さん、何年でも待つので子供用のお椀も出来たらご連絡お願いします(笑)。
そんな訳で備忘録も兼ねて書いていたらすっかり長くなってしまいました。
今年はピンポイントで長く深く愛せる器に出会えて大きな収穫でした。
本当に気に入った器は、毎日の食卓を豊かにしてくれますね。
テーブルウェアフェスティバルは本日までです。
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